甘味処[斬殺]
祐樹が棗の視界から消えるのと入れ替わりに見えたのは救急車。黙ってそれを眺めていると、不意に肩に手を置かれた。振り返ったそこには馬鹿でケチの馬鹿がいた。
「棗、祐樹はどこ行くって?」
「鷹輔に会いに行くんだってさ。その間これが祐樹」
棗は笑いながら小犬を鉄人に見せた。鉄人もそれを見て笑い、小犬の頭を軽く撫でてやった。小犬は笑ったような顔で舌を出していた。
「…で、棗。俺は早めにここを離れないと、逮捕なんだが」
鉄人は停まった救急車に続いて現れたパトカーを見て少し焦りながら言った。棗はクスクス笑って、提案する。
「じゃあ祐樹が戻るの、いつものファミレスで待とうか」
棗が言うと、鉄人は少し不安げな顔をした。
「あいつ忘れて寝そうじゃね?」
「大丈夫だって。祐樹はあたしとの約束は破ったことないんだ」
自信満々で誇らしげに言う棗の頭をぐりぐりと乱暴に撫でてから、鉄人は紙袋を持って歩き出した。棗は「何すんだ」と鉄人に蹴りを入れてから、鉄人の後に続いた。
「棗、祐樹はどこ行くって?」
「鷹輔に会いに行くんだってさ。その間これが祐樹」
棗は笑いながら小犬を鉄人に見せた。鉄人もそれを見て笑い、小犬の頭を軽く撫でてやった。小犬は笑ったような顔で舌を出していた。
「…で、棗。俺は早めにここを離れないと、逮捕なんだが」
鉄人は停まった救急車に続いて現れたパトカーを見て少し焦りながら言った。棗はクスクス笑って、提案する。
「じゃあ祐樹が戻るの、いつものファミレスで待とうか」
棗が言うと、鉄人は少し不安げな顔をした。
「あいつ忘れて寝そうじゃね?」
「大丈夫だって。祐樹はあたしとの約束は破ったことないんだ」
自信満々で誇らしげに言う棗の頭をぐりぐりと乱暴に撫でてから、鉄人は紙袋を持って歩き出した。棗は「何すんだ」と鉄人に蹴りを入れてから、鉄人の後に続いた。