甘味処[斬殺]
20歳前後に見える、整った顔。茶色く脱色された短い髪は精悍な顔付きに似合っていた。身長は180cmよりもう少し長い。
ひとつ特徴的な点を挙げるとすれば、首筋を横に走る傷痕だろうか。ぱっと見ではわからないが、気付いてしまえばこれほど目を引くものは無い。それは首の左側に二つ並んでいた。ひとつなら事故か何かとも思えるが、二つとなると事情が気にかかる。
「なんだ、サリーか…びっくりした」
祐樹は男の顔を見上げながら言った。「サリー」と呼ばれた彼は、座ったままの祐樹の目を見ようとはせず、ベンチの前側に回り込んでその端に座った。
「…いつまで、そのふざけた呼称を使うつもりだ?」
言葉とは裏腹に、別段憤慨している様子もなく。[更井鷹輔(サライ・ヨウスケ)]はただ無関心そうな目を何処か遠くに向けていた。
「いいじゃん、サリー。サライよりよっぽど可愛いよ」
「…お前に可愛がられるつもりは無い」
「またまた、僕のこと愛しちゃってるくせにぃ。殺しちゃいたいくらい?かな?」
ひとつ特徴的な点を挙げるとすれば、首筋を横に走る傷痕だろうか。ぱっと見ではわからないが、気付いてしまえばこれほど目を引くものは無い。それは首の左側に二つ並んでいた。ひとつなら事故か何かとも思えるが、二つとなると事情が気にかかる。
「なんだ、サリーか…びっくりした」
祐樹は男の顔を見上げながら言った。「サリー」と呼ばれた彼は、座ったままの祐樹の目を見ようとはせず、ベンチの前側に回り込んでその端に座った。
「…いつまで、そのふざけた呼称を使うつもりだ?」
言葉とは裏腹に、別段憤慨している様子もなく。[更井鷹輔(サライ・ヨウスケ)]はただ無関心そうな目を何処か遠くに向けていた。
「いいじゃん、サリー。サライよりよっぽど可愛いよ」
「…お前に可愛がられるつもりは無い」
「またまた、僕のこと愛しちゃってるくせにぃ。殺しちゃいたいくらい?かな?」