キミの隣へ
あたしは無理矢理笑顔をつくって本心と正反対のことを言った。
「のろけなら聞かないよ~?」
その言葉でキミは眉を下げ、あたしに歩み寄ってみんなが驚くような一言を投げる。
「優歌が好きだ…」
周りのサウンドが一気に削除され、さっきまでうるさかったグラウンドさえも人1人いないような静けさ、まるでこの学校は2人だけのような静寂に陥りその一言が頭の中をぐるぐる回り、リピートを繰り返す。
「…好き?…雄輔が?あたしを?」
「今まで辛い思いさせてごめん、俺は最低だ…」