レイコーン
「キミたち、賢者様の弟子なんだってね?」
「え、まぁ。」
衛兵はマールの隣に座った。
「今年は、邪魔が入らないといいなぁ。」
「うぉぉぉぉぉぉぉ!」
画面はまだ、大男が斧を振りわす姿を映し出している。
「・・・邪魔?」
「知らないのかい?昨年の大会の話。」
その言葉を聞いてマールは手を膝の上に置いた。
「そう…。」
マールはぞくぞくっとして背筋がのびた。
「楽しみだね。友人の試合。」
「えっと。そうですね。」
そう言ってマールは彼と目を合わせないようにした。
キン。キィィィン。
金属と金属の重なり合う音がする。
マールはごくっと息をのんだ。
対決相手の名前は…?その名前を心に刻んだ。