レイコーン

 

「えい、やーーー!」 

 

彼の前にいたボビンと名乗る受験者が
甲冑を着た試験官との試合をはじめた。

 

「そこで待つように!」
 
 
白装束の係がニコスに言った。
頭上に浮かぶ水辺には太陽が差し込み、美しく輝く一方で
現在行われている試合が鮮明に映し出されている。
 
 
ニコスが舞台上の脇に立つ。
 
 
ニコスの目の前では試合が行われている。
彼の視線に映る舞台の奥には
王と、立派な甲冑を着た10人のの兵士長達がいた。
 
手が汗ばむ。

 

「くらえっ!」

 
 
ボビンの気合のこもった声が舞台全体に響き渡った。

ボビンがそう言ったとたん剣は、
鞭のような炎を発し、試験官に襲い掛かった。

 

「・・・・・。」

 

その様子を会場の者誰もが眺めていた。

 

「ちっ・・・くしょう・・・。」

 
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