レイコーン
試験官は一瞬にして炎をさらりとかわし、
ボビンとの間合いを詰め
今は、喉元へと剣を突き立てている。
「よい、腕であった。まだまだ伸びるぞ。」
試験官が語る。
この声は、クロガネル。
試合の決着がつくと
クロガネルは仮面を外し、剣を鞘に納めた。
剣をしまうとニコスとクロガネルは目があった。
何も語らない。
なにも流れない。
そんな沈黙が通過する。
クロガネルは兵士長たちに顔を向け、大きな声で言った。
「さぁ、この者を隊に入れたい者はおるか?」
すると奥にいた兵士蝶たちがざわめき立ち
何人か手を挙げた。
「第5騎士団にぜひとも」
「いやいや、第3騎士団に。」
すると、クロガネルは白いひげを触りながら、
第3騎士団兵士長を名乗る男に向かって答えた。
「ふむ・・・、では、シュガールよ。彼はお前の隊に任せよう。」
「は!」
そしてクロガネルはボビンの元へと近づきこう言った。
「では、受験者ボビン。このまま、控室に向かいすべての試験が終わるのを待て。後に王の前で騎士の誓いを立てよ!」