レイコーン
「…え?」
その言葉がいったい何を意味するのか全くマールには心当たりがない。
「…。」
キィィィィン
闘技場から聞こえる金属音。
黒フードの男はその音のするほうを向いた。
「力の正体も知らずに斬りかかるとは…。」
彼のめに映っていたのは
たった今クロガネルに切られたドラゴンの亡骸。
切りはなされた首からは黒い霧が発生し
クロガネルを中心に、黒い雨が降り注いでいた。
「まぁ、よい。新たな駒の誕生だ。」
そう言い、彼が指差したのは、
「・・・クロガネルさん?」
その姿はどんどん、漆黒に染められてゆく。
はっとしたマールは叫んでいた。
「二コーーーース!クロガネルさんから離れろ~~~~!」
だけど、聞こえる距離ではない。
倒れゆくスカルドラゴン。
ドラゴンの首から流れる雨は渦を巻き止めを刺したものの剣へと流れゆく。