レイコーン
「うん?」
「これ、借り行ったらまずいかな。」
マールが指差したのは闘技場に突き刺さったまま放置されたクロガネルの剣だった。
「あの爺さんの剣、魔法剣鈴鳴か。」
剣に近づき、手にするニコス。
チリン。チリン。と鈴の音が鳴る。
「これ、俺の剣とそっくりだ。」
手にした剣を二度三度振って見せた。
「バッチリだ。」
「行こう!」
「おぅ!」
城を出たマールたちは驚いた。
「全然変化がないね。てっきりみんな連れてかれていると思ってたのに。」
そこは変わらず、商売に熱心でにぎわう街のままだった。
「あいつ、何で途中で帰ったんだろ。国を滅ぼすつもりなら絶好のチャンスなのに。」
「絶望を集めるだとか、弟子との約束がどうって言ってたよ。」
「弟子?弟子ねぇ・・・。」
首をかしげるニコス。
「うん。考えても仕方ないよね。分からないことが多すぎるもん。」
「そうだな。」
難しい顔をしていた2人だったがこれ以上考ええも仕方がないので話題を変えた。
「ところで、ニコスは神鳥の水の源泉の場所知ってるの?」
「え?俺、知らないよ。」
「えぇ?じゃあどうやって行くのさ?」
マールは目をまん丸にしてニコスに言った。