レイコーン
「あれは400才くらいの大物ですね。」
と、ジーニーはかなり落ち着いている。
ズドン、ズドンと足音が近づく。
その大きな音とともに舞う砂埃。
「グォォォォン。」
「グォォォォォン。」
と、粉塵の先からは怪物の低くうなる声が聞こえる。
あの音は。
「スカルドラゴン?何で?」
「…またかよ。」
バスの後ろの窓から見えるものは見事なスカルドラゴンだった。
その大きさはバスでさえも人のみできそうなくらいだ。
闘技場でみたものよりも数倍大きい。
「元々ここはサンドストームで覆われたドラゴンの墓場だったんです。だから一般の人は王が規制をしなくても誰も巣には近づけかなかったんですが…。」
ジーニーが言った。
「『誰か』が、魔力を与えてしまったのか」
「飛ばしますよ。しっかりつかまって。」
「え?」
すると、バスは加速し、ドラゴンの横をすり抜けて、どんどん加速する。
「グォォォォ。グォォォ。」
まだ走る。
まだ走る。
走る。