レイコーン



 
「グォォォォォォ。」

 
ドシン、ドシン。

と、大きな足音が近づいてくるのが聞こえる。
 
 
「ア、アイツ追いかけてくる!!」
 
 
ジーニーがいくら飛ばそうとも、
ドラゴンとの距離は一向に変わらない。
 
すると、ジーニーは冷静な声でこう言った。
 
 
「残念ですが・・・。」
 
 
残念ですがって何?マールの心は激しく揺れた。
 
 
「ニコス!ニコス!!」
 
 
マールが叫ぶ。
 
 
「ニコス、アイツ、どうしよう。」
 
 
「・・・ぅぅう。」
 
 
駄目だ。この人。
 
 
「アイツを何とかする魔術かなんかないの?」
 
 
「スカルドラゴンは一度命を落としたドラゴンを闇の魔術で操っているものです。突いても切ってもその魔力の元がある限り動けます。」
 
 
「でも、クロガネルさん切ってたよ。」
 
 
「それは、魔術の元を切ったのでしょう。」
 
 
「ニコスはこの調子だし、僕じゃ切れないよ。」
 
 
半分、あきらめているマール。
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