レイコーン

暗すぎてマールにはよく見えないのだが
それは、どうやら石や、レンガではなく木でできているみたいだ。

 

「行き止まり?」

 

「ミャー」
 
 
猫はがりがりと看板に向かって爪を立てはじめた。
 
  
 
「押せってこと?これ、扉なの?」

 

「ミャー」

 

マールは看板が収束している場を強く押した。

 

ギィィィ・・・
と、さび付いた缶詰のフタのような音を立て、
看板は壁の奥の方へ移動していく。

 

「本当に扉だ。」

 

急に明るい光がマールを包む。

 

「・・・・!」

 
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