レイコーン

光が消えると、
またあの夜に舞い戻っていく。

 

静かな夜だ。

 

コツコツコツ・・・。

 

左手の方にドクがいる。姿も見える。
マールがドクに追いつこうと体を向けたとたん

 

 

バタン。

 

急に扉が閉まる音が耳に入り、
マールはその音に反応した。

 

振り返ってみると 
『研究室』と時折光る札のついた重苦しい扉が
硬く閉ざされている。

 

よく見ると
戸にはノブも何もない。
 
 
 
「あ、あれは?」
 
 
 
「マール君。」

 

ドクが呼んでいる。

 

「キミが今、目にしたものはなんじゃね?」
 
 
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