レイコーン
 
「これ、俺の尾の力を源にしているから人間には使えないんだ。ごめんな」


「そう・・・。」
 

マールはなんだか
遊園地でもらったばかりの風船を飛ばしてしまった
子どものような顔をしてニコスを見ている。

 

「大丈夫だって!マスターが何かマールにも使える道具くれるさ!なんてったってあの人はこの世界で13本の指に入るくらいの大魔法使いだからな!」

 

ニコスは背筋が反り、とても誇らしげだ。

 

13本?

 

「13本って、指、けっこう多いね」

 

「ま、気にすんな!さぁ、朝食にしよう!大広間に行くぞ」


ニコスのこんな適当さが、マールには心地がいい。
マールのいた部屋の上の階には大広間があり2人は広間に向かっていった。
 

「さぁ、どうぞ、お客人!」

 

気取ったニコスが大きな扉を開けマールを招待してくれた。
大広間に入った2人。

 

部屋は数人で使うにはもったいないくらいの広さで、中央には白いテーブルクロスのかかった長テーブル、ろうそくたていくつも乗っている。

椅子はなぜか何十も用意されてあり、中央にある新鮮な果物を取り囲むように
席には白く輝く真っ白なお皿が並べてある。

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