レイコーン
続けてニコスが言う。
「持ち主が求める知りたい事を瞬時、映像として頭に焼き付けて教えてくれるんだってさ。それを応用した技術で遠くの人と情報の交換をしたり会話したりしていたらしいよ。」
「じゃあ、この蝶は通信関係携帯の代わり?」
「みたいだね。他にも契約魔法の補助とかしてくれるらしいけど。」
「便利なものがあるんだね?流石、魔法世界!コレがあれば勉強しなくてすむってことでしょ?」
マールはかなりうれしそうだ。
「君らの世界で言うところの携帯とパソコンと同じだからね。そうは都合よくないよ。でも、数が減ってしまって通信できる人があんまりいないのさ。それにこいつ、結構食うんだよ。」
「何食べて、生きてるのさ?」
「これ、好物は文字なんかのメモリらしいんだ。分量で言うと一日に作文用紙10000文字くらいかなだね。」
するとニコスがマールを指差す。
「マール、君が旅の間、勉強もかねて彼女に餌を与えて欲しい。ちょうど彼女はマールの授業ノートが好物みたいだからね!」
ユビキスの羽から光が現れ、マールの頭の上をウロウロしている。
「・・・10000文字?しかも、僕のノートってどう言うこと?」
「ほら、これ!」
ニコスは自分の道具袋からマールの授業のノートを取り出した。
ユビキスは少しづつ、ノートから文字を吸いだしている。
「うわっ!真っ白じゃないか!何してるのさ!」
「大丈夫だよ、これは昨日、君のノートを借りて俺がコピーしたものだから。」