レイコーン


ほっとしたようなそれでいて一発ブン殴ってやりたいような顔をしてマールはニコスを見ている。

 

「町じゃユビキス専用の餌も売っているらしいんだけど、目立たない店でなかなかお店が見つかんないんだよ。しばらくはマールが勉強したノートで我慢してもらうよ。」

 

「え?勉強?」

 

ニコスはさらにマールの学校用の鞄まで取り出した。

 


「そ!マールは元の世界の事を勉強しないといけないし、それをまとめたものをユビキスに与えてあげなよ。ユビキスに食われないよう昨日教科書は防虫剤かけといたからさ!」

 

灼熱の砂漠が続いている。

彼らの旅は始まったばかりだ。


宿題のノルマ。一日に5ページ…くらい?


しばらくしてニコスは荷物を片付け始めた。

する事もなくなったマールはドクにもらった飴の缶をいじっている。

  

「ねぇ?ユビキス?この飴、何かわかる?コレ熱で溶けない?」

 

マールは早速、情報蝶にドクからもらった飴の事を聞いた。

 

『・・・・・・』

 

ユビキスがきらりと輝きマールに語る。

 

ご主人様、わかりません。とでも言いたげだ。

 

「・・・あのさ、ニコスさん・・・?」

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