レイコーン
 
王はマールのタマゴを指差しこう答えた。
 
 
「見たところ神鳥のタマゴのようじゃ。神鳥は絶対に巣からタマゴを落としたりはせん。その神鳥のタマゴを持った少年がわしの元を訪れた。それはどこで手に入れたのかね?」
 

「え?こ、これは…。」
 

王は続ける。
 
 
「神鳥の魔法。それにはあらゆる魔法が詰め込まれていると聞く。しかも異世界の住人じゃないと使えないというすばらしい魔法の数々がな。」
 
 
「はぁ。あの…ひとつ聞いてもいいですか?その鳥のところへ行くのは、クロガネルさんもダメなのですか?」
 
「ヤツはな生粋の武人じゃ。…もしも、この国を離れたと他国に知れてはまずいのじゃ。不安かも知れぬが、頼まれてはくれんか?」
 
 
王にそう言われマールはため息交じりで返答した。


大人から物事を頼まれるっていうのは慣れないことで困惑したが、別にいいかなって思った。
 

「はぁ、わかりました。では、ニコスの試験が終わったら一緒に行きます。」
 

「おぉ!ありがとう。」
 
 
そうしてマールは大きなタマゴを抱えニコスの元へと向かっていった。




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