レイコーン
彼の控室の場所は
わかりやすく、兵士控室の看板が立てかけてあった。
他にも兵士志願者がたくさんいるのだろうと思い
マールが控室に入ってみると
中は暗く、誰もいないようでしんとしている。
周囲には槍や鎧など兵士の武器らしきものが一式置いてあり
妙に見つめられている気がした。
「うわっ。雰囲気あるな。」
むさくるしいイメージがあったのだけど、
どちらかというと魔術製作所のような雰囲気で
いろんな道具も置いてある。
普段のマールだったらこの部屋に見入っていたに違いない。
部屋の真ん中には木でできた安っぽい机が置いてあり、
黄色くしみのついた布がたくさん無造作に積み重なっていて
その布たちの隣に紙切れが置いてあった。
本当は、近くにあった鎧を触りたいと思っていたのだけど、
ニコスを探すほうが先で、彼の手掛かりを探した。
マールの目に留まったのは中央の机の上にある手紙。
勝手に読んではまずいかなとは思ったものの、
無造作に置いてあるので読んでみた。
手紙には2、3行ほどしか書かれいなく
冒頭にはこう書かれていた。
『マールへ』
この文字を見た瞬間にマールは安心して手紙を読み始めた。
『試験までずいぶん時間があるので城の裏手にある丘にいます。地図に印しておくからリリーにでも聞いて来てくれニコスより』