レイコーン

だそうだ。

そして2枚目にはその地図が描かれた紙があった。

 

マールは折られていた手紙を伸ばすと、リリーに差し出した。
彼の頭の上を漂っていたリリーは淡いピンクに輝き手紙の文字を吸い取り始める。

 
文字が手紙から離れ円を描くようにリリーの口元へと運ばれてゆく。

 

手紙の中味が真っ白になる頃リリーの輝きも元へと戻った。

 

「リリー、ニコスのところまで案内してくれるかい?」

 

マールがそう言うとリリーはゆっくりとマールに道を示すように先へと進んで行った。
 
 
 
「ニコスのいる丘ってあれだな」
 
 
 
城を出リリーのいる方を見るとひときわ目立つ丘がある。
緑で覆われていて周囲の色とは明らかに違う。

 

しばらく歩き
マールが丘の上の方へ行くと
上の方から音楽が聞こえてきた。

 

甘く、優しくここっちよき眠りへと導いてくれそうなメロディ。

  
暑い風が吹いているはずなのに
やさしく温かな吹いている気がして
落ち着いた。

 
演奏者を見たいと思ったマールは
音のする方へと進んで行った。
< 91 / 126 >

この作品をシェア

pagetop