レイコーン
だそうだ。
そして2枚目にはその地図が描かれた紙があった。
マールは折られていた手紙を伸ばすと、リリーに差し出した。
彼の頭の上を漂っていたリリーは淡いピンクに輝き手紙の文字を吸い取り始める。
文字が手紙から離れ円を描くようにリリーの口元へと運ばれてゆく。
手紙の中味が真っ白になる頃リリーの輝きも元へと戻った。
「リリー、ニコスのところまで案内してくれるかい?」
マールがそう言うとリリーはゆっくりとマールに道を示すように先へと進んで行った。
「ニコスのいる丘ってあれだな」
城を出リリーのいる方を見るとひときわ目立つ丘がある。
緑で覆われていて周囲の色とは明らかに違う。
しばらく歩き
マールが丘の上の方へ行くと
上の方から音楽が聞こえてきた。
甘く、優しくここっちよき眠りへと導いてくれそうなメロディ。
暑い風が吹いているはずなのに
やさしく温かな吹いている気がして
落ち着いた。
演奏者を見たいと思ったマールは
音のする方へと進んで行った。