きっと世界は君のもの
「ごめんごめん。 あのさ、俺、別れたいとか思ってないから」
『は?』
「なに?別れたかったの?」
『や、そうじゃないけど・・・』
つまり、あたしは大変な勘違いをしてしまったわけだ。
そりゃ逆ギレもされちゃうってことね。
「なんでそんな勘違いしてた?」
『だって、ただ単に猫と遊んでるだけなのに、キレたし』
「それだったら普通、俺の方が フラれるかも って悩む方でしょ」
『まぁそう、ですけど』
そう呟くと、彼はかすかに微笑んで、軽いキスをする。
「ごめん。 俺が悪いのに」
うん、ほんとそうだよ。
なんだかんだであたしがキレるはずなのに、立場逆転してたし。
「起きてたから謝ろうと思ったら、わけわかんない事言い出すし」
『勘違いは申し訳なく思ってます、ほんとに。 でも爽麻のせいだよ、ばか。 ミューばっかだし』
ははっ、と笑いながらごめんと謝っては、
「一番好きなのはミューだけど、一番愛してるのは柚だから」
コツンとおでこをあてて、真剣な眼差しでそう言う。
ちょ、これ反則でしょ。
こんな至近距離でそんなこと言われちゃ、文句も言えなくなっちゃうし。