きっと世界は君のもの
「小森 綾にね、バレたんだよ。 春陽のこと」
『え、?』
「人気が出てきた今、彼女が居ることをバレてしまえば、報道陣に囲まれて事務所にも迷惑がかかる。 そうしたら 彼女は自分のせいだと思うだろうね、って言われた」
「春陽のことを内緒にする代わりに、彼女に従うみたいな感じになったんだよ」
“性格の悪い、我が儘な人らしいよ”
ふと友達の言っていた言葉が過(ヨ)ぎる。
「カフェで居たのも、無理やりだった。 家に来たのも、本当に突然だったんだ」
「断われば、 彼女が悲しむことになっても知らないよ って言われる」
『そんな、・・・』
あたしが知らない間に、彼はずっと脅され続けてきたんだ。
「俺、春陽を守るためにって思ってたのに、結局はお前を傷つけてたんだよ。 バラされることが、恐くて」
「でもこんなことで春陽が離れていくのなら、俺はもう迷わないから」
『え、?』
突然の言葉に、彼女は理解ができない。