きっと世界は君のもの
『爽麻(ソウマ)、ほんとミュー好きだよね』
社会人のくせに、ミューと遊ぶ時はまるで子どもみたい。
「こんな可愛い奴、好きじゃない方がおかしいだろ。 お前が一番大好きだぞ、ミュー」
あきらかに語尾に「♪」がついている口調。
あたしにはそんな口調じゃないくせに。
あたしよりネコが「一番」なんですか。
わかってる。相手がネコぐらい。
でも、イライラは消えない。
ずっとミューばっかじゃん。
『あたしのことも好き?』
「うん、好き好き」
たかがネコ、されどネコ。
あたしには棒読みに近い愛情の言葉ですか。
あたしの強敵は、キレイな女の人とかじゃなくて、ネコなんだと思う。
あぁ、なんだかずっと積ってた思いが爆発しそう。
『好きじゃないくせに』
「んー? ・・・・、え?」
そんな適当な返事はもうそれで十分。
『永遠にネコと遊んどけば』
うん、もう爆発しよう。