きっと世界は君のもの
( 大切な彼女がいます )
なんで そんな事言ったの?
人気が出てきている今、騒動は避けたいはずなのに。
( 止める覚悟は出来てます )
あたしはそこまで必要のない存在なのだと、思ってた。
仕事を優先されても 仕方のない事だと、思い込んでた。
( 大切にされてるね )
やっぱり あたしは子供すぎたんだ。
ねぇ 会いたいよ、一葵。
でもなんでだろう、会いに行くのが 恐いんだ。
本当にあたしがキミの彼女でいいのかな って思うの。
『ぁ、・・』
誰も居ない 寂しげな帰り道。
少し先に見える 壁にもたれる人の姿。
彼は あたしに気付いてこちらを向くが、近づこうとはしない。
「春陽が イヤだと思うなら、俺はもう止めるよ」
『え、?』
「俺から離れたいと言うのなら、無理やり引き寄せる事はしない」
そんな悲しげな微笑み、やめてよ。
その言葉が 胸を締め付けるから、それ以上言うのはやめてよ。