きっと世界は君のもの
「っと、」
どんな言葉を言えばいいのか分からなくて、思うがままに抱きついたあたしは やっぱりまだ子供。
『離れ、ない』
こんな子供なあたしを 許してください。
彼を誰にも渡したくないという 独占欲が強いのも、
涙を我慢することが出来ず、君を困らせちゃうのも、全て 許して。
慰めるような その軽く触れるだけの口付けも、 離れないように 強く抱き締めてくれるのも、 全部 大好きなの。
―カシャッ
『っ、記者の人に 撮られたんじゃ・・・』
「あぁ、別に そんなのいーよ」
いろいろ報道されようが 彼は気にせず仕事を続けると言う。
仕事が減っても、諦めない という彼は やっぱり大人だ。
次の日、やっぱり写真は撮られていて 記事にされてたけれど、
「彼女に一途な人気俳優」 という風に書かれていた。
あのテレビの報道もあってか、「一途」という言葉が貼り付けられるようになった一葵は、さらに人気になった。