きっと世界は君のもの
「ちょ、柚(ユウ)? どこ行んだよ」
『うっさい。 喋りかけないで』
毒舌になろうがどうでもいい。
今は一人になりたいの。
「・・・・・」
放置されるあたしの気持ちなんて、考えたことないくせに。
パタン、と静かにドアを閉める。
『はぁ、』
ギシッと、窓辺にある彼のベッドの上に蹲る。
今頃どうせ1階ではミューと楽しく遊んでるんだよ。
2階にあるこの部屋は、孤独感だけが溢れる。
あの小さな芝生の庭が、大好きだった。
お出掛けしない日は、フローリングに座って和んでたなぁ。
ミューを買ってから、お出掛けもしなくなった。
前まで一緒に隣で座って和んでたのに、今はあたし一人だけ座ってる。
やばいね、結構重症かもあたし。
ネコ相手にかなりダメージ受けてるよ。
『どうせなら、アイツがネコになったらいいのに。 そしたらもっとかまってくれる男と付き合ってやる』
あぁ、こんな事一人で呟いてるあたしは、“可哀想な女”なんだろうね。