きっと世界は君のもの



「そうですか」


あたしは、彼のことを知らなければ、彼の考えていることなんて、さらに分からない。


どうして 少し悲しそうな顔をするの?

執事は、主の事を全て把握していたいものなの?


『・・・・・部屋に戻る』


所詮、執事と主の関係。


「では私も――」


『来なくていい。 彰人は、自由を楽しんでおいて』


「・・・・、」


彼は忠実に従う僕(しもべ)。

この関係が落ちることも、進むこともない。


執事と主、 その言葉が 嫌い。

どうして、彼は執事なの。
この想いは募っていくだけで、悲しい想いも、ただ増えていくだけ。





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