きっと世界は君のもの




何をしていても、このモヤモヤが消えることはなく、全てが嫌になる。

ベッドにダイブして、そのまま蹲る。
強くシーツを握り締めて、声を出さずに 静かに涙を流す。


これは いつものこと。



彰人が来る前までは、お父様もお母様も忙しいから、相手にしてくれなくて、寂しくて泣いた。


彼が来てからは、その涙はなくなった。


( もう、寂しくないですよ )


眠るときに、そう言ってくれた あの日から、寂しさはなくなった。


けれど、次第に想いが芽生えていけば、また涙がこぼれた。


でもこの涙を、彰人に見られたくない。
悲しい理由すらも どうせ言えないのだから。


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