きっと世界は君のもの
*
『ん・・・』
あぁ、瞼が重いし、頭はボーっとする。
『あれ、あたし・・手がある』
猫から、人に戻れた?
ぼやけながらも確かに見えたのは自分の手、そして蹲っている自分の真横で、ミューが気持ちよさそうに眠っている。
青空だった空が、今ではオレンジに染められている。
『好きって、言わなきゃ・・・!』
慌てて起き上がるが、部屋を見渡してもさっきまで居た彼はどこにもいない。
そしてようやく頭が覚めてきて気付く、 さっきのは夢なのだと。
『は、なんだ。 あたし、ただ寝ちゃってただけで・・』
ボフッと枕に顔を埋める。
夢の中ではあたしが人に戻り、嫌っていないと伝えてればハッピーエンド。
でも現実は、ハッピーエンドじゃなさそう。
彼の気持ちは、わからない。
こんなネコに嫉妬してキレるような女、うざったいだろうしね。
『もう、終わりかな』
あたし、ちゃんと諦めきれるかな。