月に願いを
清鷹は騎馬を中心に隊を編成し機動力を上げて戦に臨む方針を取った。

犠牲が出るのは避けられないが、それでも出来るだけ生き残れるようにしたつもりだった。

「敵前方より攻め、本隊の進行方向に敵を追い込む。無駄に刀を交えず誘い出す事だけを考えよ。出陣!」

清鷹の号令に合わせて奇襲隊は次々と戦場へと向かう。



清鷹は先に打ち合わせしておいた通りに布陣し、敵を出迎えた。

羽鳥軍は清鷹の隊を少数と見て侮ったのか真正面から攻めにかかった。

清鷹達は機動力を生かし敵を翻弄する。

しかし大軍に拠って攻めてくる敵に味方の人数はだんだんと減ってゆく。

清鷹自身も何度も危ない目に遭いながら味方を庇い戦っていた。

これ以上兵が減れば囲まれて全滅してしまう。
本隊の到着はまだかと思ったその時、敵後方から本隊が攻め入った。

もうすぐ全滅させられると前面にばかり集中していた羽鳥軍は慌てふためき陣を乱した。
< 13 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop