月に願いを
・婚礼
結姫の輿入れの準備は着々と整い、暖かくなった春に羽鳥に向かう事となった。
「父上、母上。長い間お世話になりました」
両親に指をつき深々と頭を下げて挨拶をする。
「羽鳥に行っても元気でな。時々寄る故、心配せずともよい」
「若殿にしっかりお仕えなさい。きっと結にとっていい人でありましょう」
にこやかに結姫を見る二人に結姫も笑顔を返す。
一礼して結姫は羽鳥への輿に乗るために退出した。
「少々道中が長くなりますが何かありましたらお申し付け下さい」
羽鳥までの護衛に就いたのは清鷹の弟にあたる清知で、皮肉なものだと結姫は心の中で苦笑した。
未だ消息のわからない清鷹に代わっていずれ家督を継ぐであろう清知はどことなく清鷹の面影がある。
「よろしく頼む」
清知にそう告げると前方からゆるゆると出発し始めた。
「父上、母上。長い間お世話になりました」
両親に指をつき深々と頭を下げて挨拶をする。
「羽鳥に行っても元気でな。時々寄る故、心配せずともよい」
「若殿にしっかりお仕えなさい。きっと結にとっていい人でありましょう」
にこやかに結姫を見る二人に結姫も笑顔を返す。
一礼して結姫は羽鳥への輿に乗るために退出した。
「少々道中が長くなりますが何かありましたらお申し付け下さい」
羽鳥までの護衛に就いたのは清鷹の弟にあたる清知で、皮肉なものだと結姫は心の中で苦笑した。
未だ消息のわからない清鷹に代わっていずれ家督を継ぐであろう清知はどことなく清鷹の面影がある。
「よろしく頼む」
清知にそう告げると前方からゆるゆると出発し始めた。