月に願いを
祝言を挙げた夜。

結姫はやはり月を見上げていた。

清鷹と再び会えた事を報告するように。


「結。どうかしたか?」

振り返る結姫の隣に清鷹は並んだ。

「月は願いを叶えてくれるのだなと思って」

微笑む結姫の隣で清鷹も月を見上げた。

「結。俺は東雲を全力で守ったつもりだ」

結姫は清鷹を見上げ頷く。

「清鷹のおかげで東雲は戦場にならず、夫婦にまでなれたなど夢のよう」

清鷹は結姫の言葉に微笑んだ。

「あの月に誓おう。これからはこの国と結を全力で守れる自分でいられるようにと」

結姫はそっと清鷹の手を取った。

「私も誓います。どんな事があっても清鷹を信じ守れる自分でいられるようにと」

二人の影が一つになって月の仄かな光がこれからの二人を優しく見守るように照らしていた。
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