cure
「あっくんと…その…キ…」

「ハッキリ言いなよ」

はぁ―。
ドキドキして上手く言葉が出ないよ―。

「……ス……たい…んだけど…どうすればいい?」

「「は?」」

由香と忍が声を合わせて理乃に訊き直す。

「だから…ねっ…あっくんとキスしたいのっ」

「「は?」」

これ以上どう言えばいいのよぉっ!

「すればいいじゃん」

由香は一言で終わらせた。

「てか、私なら小川となんてナイけどね」

由香にあっくんとキスしてって言ってないじゃん!

ぶぅっと頬を膨らます理乃の頭を忍が撫でる。

「要はどうすれば小川をその気にさせられるか…って事?」

そうそうっ!

「あ、でもね、理乃からしたっていいんだよ。だからどんな風に持っていけばいいかなぁって」

「ここは小川が根性見せるべきじゃない?」

腕組みした由香がしかめっ面する。

「あの小川だよ?無理っぽくない?」

たまに忍って辛辣よね…。

「昨日ね…」

理乃は二人に昨日の出来事を話してみた。
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