cure
「やっぱ、最後はこれでしょ」

観覧車を見上げる理乃にあっくんも頷く。

乗り込むと少し傾いて思ったより怖い。

小さい時に乗ったきりだったから、こんなだったかなぁ?

扉が閉められゆっくりと上昇する。

「1周20分だって」

「意外におっかなくない?」

あっくんも理乃と同じように思ったみたい。

理乃はあっくんの横に座ってみた。

「不思議だよね?こうして二人が片方に寄ってても傾かないなんて」

「どういう構造になってんのかな?」

顔を見合せて笑う。

ふと気づいてしまった。

今、密室に二人きりだ…。

すっかり忘れてた当初の目的。

それを思い出して急に緊張してきた。
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