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いつもはおとなしくて優しげに笑顔を浮かべてるあっくんが鋭い目付きで男に問うと、男は舌打ちしてあっくんに向かって小さく何かを言って去った。

男がいなくなって、理乃はあっくんの背中で大きく安堵の息を吐いた。

「ごめんね、あっくん。理乃、ちょっと早く着いちゃって…。そしたらこんな事になって…」

「えっ?ああ…気にすんなよ」

あっくんは何だかぼんやりしてるみたいで慌てて返事をした。

どうしたんだろ?

「行こうか」

理乃の疑問に気づいていないあっくんに促されて、とりあえず頷き歩きだした。



日曜のショッピングセンターはやっぱりすごい人。

あっくんに付いて歩くのも一苦労で、一瞬でも目を離したらはぐれてしまいそう…。

そんな理乃を気遣うように時々振り向いていたあっくんは、理乃が追いつくのを待ってこう言った。

「手…繋ぐ?嫌じゃなければだけど…」

嫌なはずなんてない!

「繋ぐっ!」

言葉と共にあっくんの手をギュッと握った。
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