恋雫の華
大きく尻餅ををついてしまった。

『けっ警察呼ばなきゃ・・その前に救急車?!レスキュー隊?!』
頭が混乱して何が何だかわからなくなっていた。




「ギャーギャーうるせーな!!おちおち昼寝もできひんやんけ!!
        ・・・何やそれとも誘ってんの自分?」




『は?!』

男はむくっと体を起こし透の一点を見ていた。

透は男が見ている視線の先を見た。

さっき尻餅をついてスカートがめくれたのか、下着が丸見えになっている事に気がついた。

すばやく元に戻し、 その男をにらみつけた。

『ど・・・どこみてんのよ?!』

「は?お前が勝手に見せたんやろ?」

男と透の目が初めてあった。



男は、綺麗な顔立ちで、ビー玉のような綺麗な目をしていた。

そして、桜の花びらが舞う中で黒い服が一際目立っていた。


(かっこいい・・・)   思わず見とれてしまった。

男は透の顔をマジマジと見て驚いた表情をしていた。

「・・・と・・・・っ」

『えっ? 何? なんて?』

男が、何かぼそぼそっと言ったが 聞き取れなかった。

大抵こういう出会いは、お互い一目惚れをして恋に落ちる話が多い。

透も漫画のような出会いにこのときは、胸を弾ませドキドキしていた。

『あの・・どうしたの?大丈夫?』

透が 男に話しかけた瞬間
男の目が冷たい目に変わった。

「・・・・」

『ねー大丈夫?』



「うるせーな・・・」


『へ?』
きょとんとする透を男は、睨み付けた。

「っうっせーんだよ・・・あんたウザいな。」

―――風が吹き桜の花びらが、舞った。

不機嫌そうな顔をし、男は、花びらを払いのけ靴を履いてどこかにいってしまった。


取り残された透は 訳がわからなく唖然としていた。

『なんなんあいつ?!感じ悪・・・顔がよくてもあんなのごめんやわ!!

ってか礼ぐらい言えよ心配して声かけたのに・・・』

『腹立つ!!!』

恋愛漫画のように行かないのが現実だ。期待していた分寂しさ倍増だ。

『ん?!』
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