恋雫の華
『へーこんないい公園近くにあったんや!!』

辺り一面に、桃色の世界が広がっていた。

『きれい・・・』

時が止まるような、景色が広がっていた。

小さな池があり、いろんな花がきれいに咲いていた。

桃色の中にある白いベンチが目に入った。

カップルだろうか、仲よさげに手を握りあっていた。



そして一拍空いての軽いキスをした。
 気にしてないのか こちらに気づいてないのか

そして長いディープキスを、白昼堂々としていた。


『うわー・・・最近の若い子わ・・・こっちが恥ずかしいよ!!』

『・・・・羨まし・・・』 ごくりとつばを飲み込みのどを鳴らした。


自分の事みたいに、顔を赤らめて大きなため息をついた。

『はぁ~~~・・・・』

あまりにも、大きいため息だったのか、カップルたちと目があってしまった。

『すっ・・すいませ~ん』冷や汗をかきながら無我夢中で奥の方に、早歩きをし姿を消した。

『恥ずかしい!!こっちみるなよ~』ぶつくさ文句をぼやいているとあるものに気がついた。
『あれ?』

奥に1本の一際目立つ大きな桜の木があった。

『すごいきれい・・・』

 吸い込まれるように桜の木に、近づいた。 
―――ゴッツ・・・・ 足に何かが当たった―――

ふと足下に目をやると、靴が転がっていた。

不思議に思いあたりを見回した。

桜木の裏をぞき込んでみると、1人の黒い服を着た男の人が、桜の花びらま
みれになって倒れていた。


『ひやっ?!
し・・・しししし・・死体??』
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