月と太陽の事件簿12/新幹線殺人事件 静岡‐掛川間49・1キロの謎
「ナイフは確かに、ひかり号の被害者の傷と一致したんですよね」

今度ははっきりと、刑事部長にそう問いかけた。

「はい。検視と検死、両方の結果とも、そう告げています」

達郎のあまりにも自然な物言いに、刑事部長は先ほどまでの態度を忘れてそう答えた。

「となると、こだま号で死んだ男は、被害者であり、容疑者でもあるわけだ…」

達郎はそうつぶやきながら、唇を尖らせた。

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