月と太陽の事件簿12/新幹線殺人事件 静岡‐掛川間49・1キロの謎
特急東海1号
掛川から戻って二日後。
あたしは達郎の家へ向かう坂道を登っていた。
前日までの雨が嘘みたいに止み、空は晴れ渡っていた。
その分、3月とは思えないほど暖かく、あたしはコートを着てきたことをえらく後悔するハメになった。
「天気予報のバカ」
愚痴りながらも坂道を登り切ったあたしの前に、周辺の家を圧倒する門構えが現われた。
「相変わらずデカい家だこと」
正月に年始の挨拶で訪れたが、相も変わらぬ威圧感を発している。
門をくぐってまた呆れるぐらい歩き、玄関にたどり着くと、お手伝いの梅谷さんがあたしを出迎えてくれた。
いま現在、家にいるのは達郎と梅谷さんの2人だけだという。
「達郎様はご自分のお部屋に居られます」
案内しようとする梅谷さんを制し、あたしは達郎の部屋へ向かった。
どこぞの老舗旅館かと思うぐらいの長い廊下を歩き、ようやく部屋へとたどり着く。
ノックをすると返事が返ってきたので、あたしは中へ入った。
あたしは達郎の家へ向かう坂道を登っていた。
前日までの雨が嘘みたいに止み、空は晴れ渡っていた。
その分、3月とは思えないほど暖かく、あたしはコートを着てきたことをえらく後悔するハメになった。
「天気予報のバカ」
愚痴りながらも坂道を登り切ったあたしの前に、周辺の家を圧倒する門構えが現われた。
「相変わらずデカい家だこと」
正月に年始の挨拶で訪れたが、相も変わらぬ威圧感を発している。
門をくぐってまた呆れるぐらい歩き、玄関にたどり着くと、お手伝いの梅谷さんがあたしを出迎えてくれた。
いま現在、家にいるのは達郎と梅谷さんの2人だけだという。
「達郎様はご自分のお部屋に居られます」
案内しようとする梅谷さんを制し、あたしは達郎の部屋へ向かった。
どこぞの老舗旅館かと思うぐらいの長い廊下を歩き、ようやく部屋へとたどり着く。
ノックをすると返事が返ってきたので、あたしは中へ入った。