月と太陽の事件簿12/新幹線殺人事件 静岡‐掛川間49・1キロの謎
「やってないよ、探偵なんて」

「嘘。いくつも事件を解決したって聞いたわよ」

「…もしかして、兄さんたちの相談を受けてたことか?」

「だからそう言ってるじゃない」

「レミの言い方だと、オレが探偵事務所を開いて依頼を受けてたみたいじゃないか」

…まぁ、そうとれなくもない。

「オレの立場はあくまでも民間協力員というボランティアであって…」

「あーうるさい!」

あたしは達郎の言葉を遮った。

「あんたがプロだろうがアマチュアだろうがボランティアだろーが、そんなことはこの際関係ないの!」

あたしはビシっという音がせんばかりに、達郎に指を突き付けた。

「とりあえずあたしの相談に乗りなさい、いいわね!?」

達郎は不承不承といった感じでうなずいた。

まぁ確かに人に物を頼む態度じゃないわな。

でも拒否はされなかったので、あたしは話を進めることにした。

「先日の新幹線の事件なんだけどさ」

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