月と太陽の事件簿12/新幹線殺人事件 静岡‐掛川間49・1キロの謎
「警視庁が捜査を引き継いだのか」

あたしはうなずいた。

田村も小林も都民だったので、捜査一課のあたしたちの班が担当になったのだ。

「で、いろいろ聞き込みに回ったんだけどね」

あたしは手帳を開いた。

「被害者がどちらもN大学の学生だったってことは知ってるわよね」

「新聞やニュースでな」

「田村と小林は顔見知りだったのよ」

「どんな関係だ?」

「2人ともN大の鉄道研究会に所属していたの」

達郎はほう、と言ってうなずいた。

「新幹線で殺された2人は鉄道ファンだったのか」

「そのせいで面倒なことになってるんだけどね」

「どういう事だ?」

「それより先にね…」

あたしは田村と小林、2人の関係について話すことにした。

「2人は鉄道研究会の先輩後輩という間柄だったんだけど、アルバイト先も一緒だったの」

「バイト先も一緒ってことは、仲が良かったのか?」

「最初のうちはそうだったみたい」

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