月と太陽の事件簿12/新幹線殺人事件 静岡‐掛川間49・1キロの謎
「こだま417号と同じく、ひかり78号にも静岡到着まで車内に異常はなかった」

小林が倒れていた3両目のデッキは、車掌らが何回か通っているが、その時は小林の姿はなかったそうだ。

「では小林も静岡を出た後に襲われたと」

「恐らくはな」

同じN大学の学生が、どちらも新幹線の車内で殺された。

しかも両方とも静岡を出た後。

「奇妙な一致ですね」

「そうだな」

「でもなぜ私たちが?」

「静岡県警から要請があったんだ」

岸警部が横目であたしを見た。

「小林の件の第一発見者が、捜査一課の日野巡査を呼んでくれと言ってきたんだと」

「へ?」

あたしは目を丸くした。

車内アナウンスが間もなく掛川駅と告げてきた。

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