月と太陽の事件簿12/新幹線殺人事件 静岡‐掛川間49・1キロの謎
達郎は面倒臭がる様子もなく、話し始めた。
「東京駅を出て、新横浜から新富士を通過して静岡に着きました」
ひかり78号が静岡を出たのが11時24分。
静岡を出てすぐ、達郎はトイレに行こうと席を立った。
用を済ませて席に戻ろうと、デッキを通り掛かった時、ふと気になる姿があった。
「ニット帽をかぶって、サングラスにマスクで表情はよく見えなかったんですが、その人物が気になりましてね」
「それはどうして」
「正座していたんです」
岸警部の問いかけに、達郎は即答した。
「デッキで正座?」
思わず聞き返したあたしに、達郎は頷き返す。
「しばらく様子をみていたんだが、微動だにしない。それで声をかけてみたんだ」
しかし返事はなく、体をゆすってみた。
すると男が死んでいるのがわかった。それが小林だった。
「そこで車掌を呼んで、110番した」
そして今、ここにいると、達郎は床を指した。
「東京駅を出て、新横浜から新富士を通過して静岡に着きました」
ひかり78号が静岡を出たのが11時24分。
静岡を出てすぐ、達郎はトイレに行こうと席を立った。
用を済ませて席に戻ろうと、デッキを通り掛かった時、ふと気になる姿があった。
「ニット帽をかぶって、サングラスにマスクで表情はよく見えなかったんですが、その人物が気になりましてね」
「それはどうして」
「正座していたんです」
岸警部の問いかけに、達郎は即答した。
「デッキで正座?」
思わず聞き返したあたしに、達郎は頷き返す。
「しばらく様子をみていたんだが、微動だにしない。それで声をかけてみたんだ」
しかし返事はなく、体をゆすってみた。
すると男が死んでいるのがわかった。それが小林だった。
「そこで車掌を呼んで、110番した」
そして今、ここにいると、達郎は床を指した。