Linaria【極短】
「おら飲めーーー!!」
「ぎゃー!!せんぱ、ちょ、ま!!!!」
呆気なく卒業式は終わり、研究室に戻り最後の飲み会が始まった。
スーツの先輩がかっこよすぎるだとか
先輩の答辞が聞けなかったのが死ぬほど悔しいとか
このまま時が止まればいいとか
赤い顔で私の肩に腕を置きながら酒を煽る先輩をみて思った。
楽しさが
別れと距離を忘れさせる。
肩にある温もりが隠す。
明日にはイナイのだという
その事実を。
臆病者の私は
あふれでるこの涙の滴から
この気持ちが伝わる事を
切に願った