絶対純愛主義
貴斗は何を言ってるの…?

振り向きはしなかったけど私の足は止まった。

「真帆は…すっげー堅いしカレシなんてなかなか出来ねーだろって勝手に思って安心してた」

堅くて悪かったわね。

「この前、真帆が男と楽しそーにしてんの見て…すっげームカついて…」

立ち止まった私の背後から被さるように貴斗が抱きしめたから心臓が跳ねた。

貴斗…どういうつもりなんだろ…。

「俺…」

この続きを聞いちゃいけないような気がする。

私は貴斗の言葉を遮るように口を開いた。

「貴斗の子供っぽい独占欲に振り回されんのは嫌」

「俺はっ!」

「今日だってせっかくいい事ありそうだったのに貴斗のせいで邪魔されちゃってさ」

私を抱いていた貴斗の腕が力なく滑って落ちた。

「俺、余計な事したのか…?」

小さく呟く貴斗を置いて私は走りだした。



何でかわかんないけど私は泣いてた。
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