絶対純愛主義
佐伯くんとの事を貴斗に邪魔されたのが悔しかったのか、貴斗が今までにない事を言い出したのに驚いたからなのか、貴斗にぶつけた言葉に自分で心が痛んだからなのか…。

そのどれでもありそうで、どれでもなさそうでワケがわからなくなった。

でも貴斗に心を乱されたのには間違いない。

私は貴斗と違って恋愛事には慣れてないんだよ。

佐伯くんにだって、貴斗にだって、こんな時どうすればいいかわかんない。





夜道で泣いて走ったから視界が悪くて曲がり角で人にぶつかってしまった。

「…ごめんなさい…」

謝って行こうとすると酒臭い息が私の顔を覆った。

「…泣いてるねー。どーしたのー？」

明らかに酔っ払っているおじさんは私の前に立ち塞がって通してくれない。
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