絶対純愛主義
「…おじさんとおばさんは?」

「珍しく二人揃ってお食事だと」

ホント珍しい。
まぁ、おばさんが忙しいからなんだろけど。

「貴斗は行かなかったの?」

「行かなかったんじゃなくて置いていかれたの。外出してたから」

どーせどっかの女の子と遊んでたんでしょ。

チロっと視線を送ると気づいたのか貴斗はブスッとして言った。

「男の友達んちにCD借りに行ってたら、もういなくなってたの!真帆んちのおばさんに俺の飯頼んでさ」

「ふーん…」



それっきり何も言わずにテレビを眺めてる貴斗の横顔に向かって私は口を開いた。

「さっきは…ありがとう」

「うん…」

全然私を見ずに返事する貴斗の横顔は頼もしく見えた。

やっぱり男の子なんだなー…。

小さい時から一緒だったから貴斗を弟みたいに思ってて、異性として見てなかったもん。

私よりはるかに高くなった身長。
細く見えるけど案外力の強い腕。
広い背中。

こうして見るとやっぱ男の子だ。
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