絶対純愛主義
学校からの帰り道。

家の前で貴斗が女の子と何やら話している。

はぁ…。
また女の子連れ込んだんだ。

いつもの事だと思いつつ、胸が詰まるような、モヤモヤするような変な感覚に捉われた。

私に気づいた貴斗はチラッとこちらを見たけど、すぐ女の子に視線を戻し、何やら告げて一緒に行ってしまった。

二人で並んで歩く後ろ姿に胸が痛む。

何?この感じ。

だって貴斗だよ?
女の子といるのはいつもの事じゃん。
今さらこんな変な感じになるなんておかしいよ。



ああ、そっか。
前に貴斗に子供っぽい独占欲って言ったけど、それは私の方だ。

キスしたからって貴斗は私のものなんかにならない。

だって貴斗にキスなんて日常茶飯事だもん。

私にとっては大事な事でも貴斗にとったら些細な事だ。

いちいち私の事なんか気にも止めてないよ。

そう自覚したとたんポロッと涙が零れた。

私ってバカだなぁ…。

いつの間に貴斗を好きになってたんだろ。

ただ自分が気づいてなかっただけで、もしかしたらずっとずっと前から好きだったのかもしれない。

ホント私って恋愛事に疎いよね。
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