絶対純愛主義

だけど今は、自分の気持ちに嘘はつけないよ。

「ありがとう。私…キャッ！？」

急に羽交い締めにされて小さく悲鳴を上げた。

「残念だけど、真帆は俺のだから」


貴斗！

「ちょっと！あんた何言ってんの！」

私を抱き抱える貴斗を見上げて抗議するとニヤっと笑顔を浮かべた。

「だってー、真帆と俺ってキスした仲じゃん。しかも真帆から」

キャーッ！
こんなとこで何言い出すのよっ！

佐伯くんは事態の流れについていけてないようで目をぱちくりしている。

「あんたねぇっ！今、言うとこじゃないでしょっ！」

「ホントの事じゃん」

私を離さないまま、とぼけた風に言う貴斗。

「大体っ！何であんたがここにいるのよっ！」

「通りかかったら真帆がコクられてたから、ここは俺の出番かなと」

あーもーっ！
全く意味不明なんですけどっ！