絶対純愛主義
「じゃーねー、貴斗。また遊…キャッ!」

室内にいる貴斗に手を振っていた女の子が門扉に立っていた私に気づいて驚きの声を上げる。

人をお化けみたいに!
失礼しちゃう!

私は女の子を押し退け、ドアから顔を出している貴斗にトレーをズイッと押しつけた。

「おっ、わりーわりー」

全く悪びれた様子もなく笑顔で受け取る貴斗。

終始無言で用事を済ますとまだ門扉に突っ立っている女の子をチラ見して家に帰った。

高1の分際で、すでに乱れた生活してる貴斗ってどうなの!?

他にもっとやる事あるだろーに、あいつの頭の中は女の子の事しかないのっ!

「貴ちゃん、いた?」

かなり気分を害していた私はママにぶっきらぼうに返事をした。

「いたよ」

「なーにー?何かあったの?」

「別に」

私の様子にこれ以上突っ込むのはよくないと判断したのかママは苦笑してテレビを見る事にしたようだ。

全く!
何であんな風になっちゃったかな!

ブスッたれた顔でテレビの画面を見るともなく見ていた。
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