～ 桜 星 ～

それに上司なだけに
ちゃんとしたチョコをあげないといけない。

去年は先生との事があったから
お菓子の詰め合わせを
しっかりラッピングして上司にあげたが
それは一年だから許された。

だけど
今年は二年だから
それは許されない。

いっそうの事
あげないでいいとも思うけど
こんなイベントではない限り
感謝の気持ちを伝えることができないのが現実。

だから
私は必死に考えて
必死にチョコを選びに取り掛かった。

チョコを見るたびに思い出す。

高校生だった頃
先生と一緒に毎日を過ごしていた頃
クラスでは苦でも
先生や先輩たちといる時は幸せだった頃
あの時は毎年このイベントを待ち構えていた。

先生のために
甘くないけどほのかに甘いマドレーヌを
頑張って作って
一番上出来なのを選んでラッピングしていた日。

先輩たちにも作って
バレンタインの日に学校だとその日にちゃんとあげたのだ。