華の世界


「あのさ…
この前は…ごめん!」


「え…」


「怖がらせるつもりじゃなかったのに、本っ当ごめん!」


「い、いえ…そんな…
私の方こそすみません。
ちょっとびっくりしただけなので気にしないで下さい」


「ほんと…?良かった。
なんか変な事言ったかと思って気になってたんだ。」


「大丈夫です。こちらこそ本当にすみません」


「客も少ないし、またいつでも来てね」


「あ、ありがとうございます」

……。



あれ?これで終わり?


力が抜けそうなくらい簡単に終わった。

こんな簡単でいいのかわからないけど
とりあえず問題は解決…らしい。


これで一件落着か。来てよかった。
だけど今日は緊張で疲れたから
もう家に帰ってゆっくり休もう…



ほっとして帰ろうとしたら店員さんに呼び止められた。
何かを思いだしたように、またこちらに走ってくる。

…ちょっとだけ嬉しそうな笑みを浮かべながら。


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